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法律が絡む問題は専門家に相談を 相続・遺言のすべて

預金、不動産、車…相続の手続きが必要なものはたくさんあります。法律上の落とし穴も多く、正しく理解していないと大変なことに!経験豊富な専門家に相談して、早めに学んでおきましょう。

海外の相続人がいる場合の相続についてはどうする?

海外出張

海外の相続人がいる場合

海外に在住している人が増え、海外在住中に相続人になるケースがあります。
特に多いのが海外出張などで在住している間などでしょう。

もちろんこういった場合は相続権があるので、遺産分割協議に参加することになりますが、海外赴任というケースで参加できないこともあるでしょう。
そういった場合の遺産分割協議は相続人全員が揃っていないということで無効となります。注意しましょう。

相続人は海外に移住していても相続できる

上記のように相続人は海外に移住していても相続権を持っています。
つまり被相続人の預金や不動産を遺産で相続することができるのですが、これは日本での法律に基づいた手続きを行わなくてはなりません。

  • 相続させる人
  • 財産の内容
  • 金額

これらの内容を決定しなくては相続を実際に行っていくことが出来ないのですが、海外に在住しているからといって特例措置のようなものはありません。
実は相続が発生した際に9割の人が遺言を残していないというデータもあるくらいなのでそれに伴い遺産分割協議を執り行わなければならなくなります。

ただし遺産分割協議は実際に全員で集まって進めなければならないわけではなく、メールや電話などでも参加することが可能です。

遺産分割協議の内容が固まり、相続人全員の署名をする際も郵送などでの対応が可能です。

海外在住のケース:遺産分割協議書

遺産分割協議書を完成させるためには相続人全員の署名・捺印が必要となってきますが、海外に在住している相続人には遺産分割協議書の発送を行い、署名・捺印を行います。
この際に本人の署名だけではなく、現地の日本大使館からの証明が必要となります。
これは海外では日本のように印鑑証明などが発行する慣例が無く、このような大使館に証明書を発行する形となります。

海外で相続を行う場合に必要となるもの

海外生活が長くなっている人の場合、日本での住民登録を抹消しているケースもあるかと思います。
そんな中相続の手続きを行わなくてはならなくなった場合、下記のものが必要になります。

  • サイン証明書
  • 在留証明書
  • 相続証明書

遺産分割協議書では住民票と印鑑証明、戸籍謄本の提出が必要になってくるのでその代わりとなるものの書類を準備する形となります。

海外在住の場合、上記はこれらの遺産分割協議書に必要な書類の代わりとなる書類となりますので手続きを行って発送手続きを行いましょう。

サイン証明書(印鑑証明書代わり)

サイン証明書は日本領事館や大使館で発行することができる書類になります。
台湾や韓国は日本と同じように印鑑証明を発行していますが、他の国では印鑑を登録するような制度はありません。

そのためサイン証明書は印鑑証明の代わりとなっていて、海外在住で日本から住民票を撤退させている方などはこちらの書類が必要となります。 サイン証明書が発行できれば、遺産分割協議書にサインを行い、それが日本での実印の押印と同じ効力を発揮することになります。

在留証明書(住民票代わり)

在留証明書は住民票の代わりに提出を行います。
相続で住民票が必要になるケースは不動産の相続が発生したときになります。

戸籍を証明する書類で良いのでは?と思うかもしれませんが、海外在住であった場合戸籍からも住所が記載されなくなってしまうので上記の在留証明が必要となります。

相続証明書(戸籍謄本代わり)

海外に在住している人の中で、完全に海外の国民として帰化した場合は戸籍の証明の代わりとなる相続証明書が必要となります。
海外では戸籍というものが無いので、戸籍に変わる証明書が相続においては相続証明書となるのです。

相続証明書は例えば下記のようなことを証明するのに使用します。

  • 被相続人が死亡して相続が開始されることを証明する
  • 申請人が被相続人の相続人であること
  • 他の相続人が存在しないこと

相続税と贈与税について

海外に住んでいる場合でも相続が発生した場合、日本で相続に関する税金を納めなければなりません。

海外に在住していて、日本国内で所得が発生した場合、代理人として納税管理人に税金を納めなければならないというルールがあります。

納税管理人とは
納税管理人とは日本国内で非移住者で、日本で発生する収入の申告をしたり支払いを代わりに行ってくれる人のことを指します。

納税管理人とは

非移住者の、日本の留守宅での資料収入を申告したり、税金の支払いをするときに、自分の代わりになってその事務をしてくれる方のことを言います。
出国する年は給与所得以外の不動産所得がある場合、納税管理人を指定してその届け出を出国時までに行うことによって確定申告の書類提出を省略することができるのです。

納税管理人は誰にお願いすればいいのか?

納税管理人は確定申告書の作成と納税の代理が主に任される内容です。
プライバシーに関わる情報を扱いますし、申請手続きも申請手続きも行うので任される人は信頼できる人ではないといけません。
しかしそういった代理業務をできる人がいなかった場合は法律事務所など法律の資格を持っている人に依頼することが多いです。

納税も行いますので、納税する税務署がある住まいに住んでいる人を納税管理人に指定することがおススメされます。

  • 信頼できる家族、親族
  • 税理士

納税管理人の届け出

納税管理人を誰に指定するか決まれば、納税管理人は税務署にある「納税管理人届書」に必要事項を記載して提出を行います。

海外に住んでいる受贈者が贈与税の申告をする場合は、住所を管轄する税務署がありませんので、自分で日本国内のどこかの税務署を定めてそこに届け出ることになります。
納税管理人届出書は原則として納税者本人が提出することになっており、海外から提出する場合は税務署に郵送します。
ただし、納税管理人が税理士であれば代理で提出することができます。

日本の納税義務(相続税を納める義務)がなくなるには

日本に住んでいると納税の義務が発生しますが、海外在住の場合も納税の義務はあるのでしょうか。
結論から言うと、海外国籍を取得した場合は納税の義務から外れることになります。

しかし海外国籍を取得するには様々な条件がありますので海外国籍を取得せずに在住し続ける人も多いでしょう。
そのため納税に関してもケースバイケースということになります。

国籍を変えてからでも5年以内は遡って税金を支払う

被相続人が亡くなってから5年間のあいだに発生した相続税を支払うルールとなっていますが、これは国籍を変えた人にとってもこれは当てはまります。
そのため亡くなる直前に国籍が変わったから…というような状態でも相続税は支払わなくてはいけません。

相続財産が日本にあるものは納税対象

土地や建物など、日本に残されている場合、いくら国籍を変え5年以上海外で生活をしていたとしても相続が発生し、相続税を払わなければなりません。

財産を日本国外に移すには…

まず日本以外の国籍を取得し、5年以上住むと思われる土地に銀行口座を開設し、そこに日本にある財産をすべて移し替えることで完了します。
また、外国株を購入することで財産を移行させることも可能です。
しかし、土地や不動産を日本で持っている場合、売却益などの税金や所得税がかかるだけではなく、税務署から狙われることになるので土地を急いで処分するのはお勧めできません。

きちんとした手続きと手順を踏まないと…

中には国籍の変更などを吹っ飛ばして、財産だけを移して払わずにおこうとする人もいますが、税務署はこうした動きを見逃すことはありません。
確実に追徴課税などを支払うことになります。
以前からこうした節税の動きがあり、その結果規制の強化が行われています。

まとめ

ここまで読んでいただけたならお分かりだと思いますが、介在在住の相続人がいるだけで相続手続きの難易度は一気に上がります。
海外にいる相続人に何度もお願いすることもできませんし、海外の日本領事館は日本の役所のように近くにあるわけではありませんので、書類不備は許されません。
また法務局や税務署、銀行のような金融機関であっても、そこまで海外の創造手続きを経験していませんので、その都度対応が変わってきます。
このように海外に相続人がいる場合の遺産分割は、専門性が高い分野であることは間違いないので、相続人の中に海外在住の人がいる場合は相続を専門としている弁護士などに相談された方がいいかもしれませんね。

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