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法律が絡む問題は専門家に相談を 相続・遺言のすべて

預金、不動産、車…相続の手続きが必要なものはたくさんあります。法律上の落とし穴も多く、正しく理解していないと大変なことに!経験豊富な専門家に相談して、早めに学んでおきましょう。

嫡出子と非嫡出子で相続に差はある?

嫡出子と非嫡出子について

嫡出子・非嫡出子の概念はは親子関係を規定している民法が定めているもので、結婚を基準に子供を2つに区別したものです。
嫡出子と非嫡出子は、夫婦関係にとって婚姻関係にとって、親子関係にとって非常に大切な考え方です。

  • 嫡出子 … 結婚している男女間に生まれた子供
  • 非嫡出子 … 結婚していない男女間に生まれた子供

嫡出子と非嫡出子の違い

嫡出子には3つの種類があります。

  1. 推定される嫡出子
  2. 推定されない嫡出子
  3. 推定の及ばない嫡出子

推定される嫡出子

嫡出子推定とは一定の時期に生まれた子供について嫡出子であることを推定する制度です。
具体的には、婚姻して200日以降に生まれた子供、また、離婚をした日から300日以内に生まれた子供は法律上嫡出子と推定されます。

推定されない嫡出子

一方、婚姻関係があっても上記期間の範囲外で生まれた子供は、法律上嫡出子とは推定されません。
しかし、嫡出推定を受けていない子供でも、嫡出子として出生届を提出することはできるので、推定の有無で問題となる事例は億ありません。

推定の及ばない嫡出子

子供の出産時に夫が行方不明になっていたり、夫婦関係の断絶により離婚状態であったりする場合には、その子供が嫡出子であるかどうかを判断することができません。
こういったケースでは、推定されない嫡出子として扱われます。
ただし、こちら嫡出子として出生届は可能です。

嫡出子と非嫡出子の定義

嫡出子の定義は、婚姻した男女間の間に生まれた子ども、または上記3つに当てはまる子供のことです。
非嫡出子の定義は、嫡出子に当てはまらない子供のことです。

嫡出子と非嫡出子の判断時期

嫡出子化非嫡出子の判断基準について解説します。

出産後に婚姻関係を結んだ場合

出産後に婚姻関係を結んだ場合、その子供は非嫡出子として扱われます。
親子関係であることを法律上で認めてもらうためには、父親の認知が必要です。

再婚時に連れ子がいる場合

再婚時に連れ子がいる場合、その子供と新しい親の間には法律上の親子関係ではありませんので、認知することはできません。
法律上の子供として取り扱いたい場合は、養子縁組が必要です。

再婚禁止期間の考え方

女性には、再婚禁止期間が設けられています。
離婚後100日以内は新たに結婚してはならないという法律です。
再婚禁止期間は、子供の父親は誰なのかを明らかにするために必要な期間として定められています。
しかし、離婚時に女性が妊娠していなかった場合には、再婚禁止期間は適用されません。

相続の注意点

平成25年の民法の改正によって、非嫡出子と嫡出子の法定相続人が等しくなったことをご存じでしょうか?
改正前の民法では非嫡出子の法定相続分は嫡出子の法定相続分よりも低い割合でしたが、平成25年9月5日以後の相続については新法によって平等になりました。
相続人に非嫡出子である方が含まれる場合、こうした点を把握し相続が発生する前に対策を立てることが大切です。

民法が改正された背景

この民法が改正された背景には、被相続人から見て同じ子でありながら、嫡出子ですら非嫡出子を不利益に扱うといった差別になり、日本国憲法第14条に記されている法の下に平等に違反するのではないかといった批判がありました。
この問題を受けて、最高裁判所が「嫡出子でも非嫡出子でも同じ相続分にする」という判決を出しました。

非嫡出子と認知の関係

前途にて、非嫡出子でも嫡出子と同じ法定相続分があると説明しましたが、その場合、父親によって認知が必要となります。
認知をしないと法律上の親子関係は生まれず、相続権も発生しません。
また、認知には以下の通り種類があります。

任意認知

役場に届け出を出すなど一般的な認知はこのことを言います。

強制認知

父または母が認知をしない場合、子または直系卑属が裁判上で請求する認知のことを言います。
ただし、父または母の死亡の日から3年を経過すると請求することができません。

認知を受けた非嫡出子が知っておくべきこと

遺留分侵害額請求ができる

遺留分とは、侵害されることのない絶対的な相続分です。
強欲な他の相続人がいても、関係性が壊れてしまった被相続人が遺言にあなたには相続させないと記していたとしても、これだけはもらえるというのが遺留分なのです。
子の遺留分は法定相続分の1/2です。
つまり、法律上の相続分の半分は必ず相続できるという事になります。

生計を共にしていて養育費をもらっていたなら遺族年金ももらえる

亡くなった方から養育費をもらって生活をしていた場合は、原則18歳までであれば遺族年金ももらえます。

相続放棄を迫られたら

非嫡出子の場合、正妻などほかの相続人から相続放棄を迫られるかもしれません。
このような場合には弁護士に相談しましょう。
一人で対応するには精神的に限界があります。
泣き寝入りにならないよう弁護士が味方になります。

相続税も発生する可能性がある

遺産総額が3,600万円未満であれば相続税は発生しません。

非嫡出子がいる場合に取っておくべき対策

遺言書を残す

被相続人が亡くなったあとで、非嫡出子の存在を知ると、被相続人の配偶者や嫡出子として育てられた子供にとっては面白くない話でもめる可能性があります。
そのようなトラブルを避けるためには、生前に遺言書を書いてもらい遺産分割方法を決めておくといいでしょう。
遺族に迷惑をかけたくないと心から願っているのであれば、遺言書を書くだけではなく、生きているうちに相続人全員と話し合いの場を用意しておくべきでしょう。

認知されていないと相続権は認められない

認知とは、婚姻関係にない相手との子どもを自分の子どもだと認める行為です。
女性であれば自分が産んだ子は間違いなく自分の子どもですが、男性の場合は自分の子どもだと断定できません。
そのため結婚をしていない時に子どもが生まれると、戸籍上その子どもの父親の欄が空欄になります。

そして、父親として子どもを認知することで戸籍上の父親欄に名前が記される仕組みになります。
相続権は、非嫡出子が認知されてはじめて得ることのできる権利です。
もし「自分が死亡した際、愛人との子どもには相続権を渡したくない」と思うのであれば、認知しなければいいということになります。
ただし、愛人側から認知調停などをおこされる可能性もあります。

非嫡出子に相続させないためには

それでは、前妻の子供や認知した子供に相続をさせない方法はあるのでしょうか?

相続放棄

まず1つ目の方法として相続放棄をしてもらう方法があります。
相続放棄をすると初めから相続人ではなかったことになるので、相続人調査によって判明した半血兄弟に相続放棄をしてもらったら、相続をさせないことができます。
ただ、相続放棄は放棄する人の自分の意志で行う必要があり、強要はできません。
また、相続放棄をするためには家庭裁判所で相続放棄の申述という手続きをする必要がありますが、この相続放棄の申述は、「自分のために相続が開始したことを知ってから3ヶ月以内」に行う必要があります。
期限を過ぎると相続放棄は一切できなくなります。
半血兄弟との交渉が長引いて、あれやこれや言っているうちに3ヶ月くらいはすぐに経ってしまうので、そうなったら相続放棄はできなくなります。

相続人の譲渡

もう一つの方法は、相続分の譲渡という方法があります。
相続分の譲渡とは、ある相続人が自分の相続分を他の人に譲渡することです。
前妻の子供や認知された子供がいる場合、その人に相続分の譲渡をしてもらえば、相続人になることはなくなりますし、自分たちがその相続分を得ることができます。
相続分の譲渡を受ける場合には、特に家庭裁判所での手続きをする必要はありません。
ただ、相続分の譲渡も、譲渡する人と譲渡を受ける人の間で合意することが必要です。
半血兄弟がいる場合には、その人に納得してもらって相続分の譲渡を受ける必要があります。
相続権が全く要らないというような人であれば良いですが、そううまくはいかず、強硬にすべての相続分を主張されることも多いですし、全部とは言わなくてもなんらかの遺産を要求される可能性は高いです。

隠し子はなぜ発見されるのか?

相続が起こると、今まで知らなかった隠し子が発見されることがあります。
相続があると、被相続人の生まれから亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本などをすべて取得し、相続人調査をするからです。
これらを取得することで、被相続人の前妻との婚姻歴や前妻との子供の有無、認知している子供の有無などが分かります。
このように、相続開始後相続人調査をしてみたら、今まで知らなかった半血兄弟が判明して驚く、ということが起こります。
知らない子どもがいるだけでもショックですが、この場合、半血兄弟にも父親の相続権が認められるので、さらに問題が大きくなります。

まとめ

これまで解説してきたように、嫡出子と非嫡出子では法定相続分が異なっているので注意が必要です。
また、相続という分野から認知のことを考えると、非常に厄介な問題でもあります。
養子縁組であれば、家族がその事実を知っていることが多いので、突然知らない養子が現れるというのは少ないかもしれませんが、認知の事実はやはり家族や身内にも隠していることが多いと感じます。
「いざ相続手続きを進めてみると、過去に被相続人が認知していた。 」相続実務を日々行っていると思っていた以上にこういった事態にあたってしまうことがあります。
当然このような問題が出てきた場合には依頼者へ説明をしますが、予期せぬ相続人の増加に皆さん動揺が隠せない様子です。
日常の中で、認知の有無の話をすることはないかもしれませんが、もし自分自身に思い当たることがあるのなら、早めに公正証書遺言を作る等で問題解決をしておくことが賢明かもしれません。

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