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法律が絡む問題は専門家に相談を 相続・遺言のすべて

預金、不動産、車…相続の手続きが必要なものはたくさんあります。法律上の落とし穴も多く、正しく理解していないと大変なことに!経験豊富な専門家に相談して、早めに学んでおきましょう。

公正証書遺言

公正証書遺言について

公正証書遺言とは、一般的な自筆証書遺言とは違い、遺言者が公証役場の公証人に遺言内容を伝え、公証人は遺言者から聞いた内容を遺言書に落とし込むという、共同で作っていく遺言書のことです。
自分一人で書けてしまう自筆証書遺言と比べると、専門家のチェックが入るので確実性があり、遺言の効果も無効になることが少ないの他大きな特徴です。

公正証書遺言の作成は増加している

公正証書遺言は公証役場において承認2人以上が立ち会い、遺言者が口頭で述べる内容を公証人が作成していきます。
公証役場に出向けない人は、病院などに訪問して作成することも可能です。
公証人には守秘義務があるので、聞き知った内容を外部にもさることはありません。
日本公証人連合会の調査によると、平成29年度の交渉証書遺言の作成件数は11万件以上となっており、10年前の8万件弱から年々増加しています。

自筆証書遺言との違い

最も一般的な自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを確認していきましょう。

公正証書遺言は全文を書かなくていい

公正証書遺言は公証人に内容を伝えて公証人に作成してもらうので、自筆で遺言書を書く必要がありません。
一方自筆証書遺言は全文を自筆で書かなくてはいけません。
書くのが面倒だと言ってパソコンや代筆を頼んだりはしてはいけないのです。
遺言書は遺書とは違い書式や要件も厳格ですから、法律のプロの目を通すことが大切です。
訂正の仕方が違うというだけで無効になる場合もあります。

公正証書遺言は公証役場に保管される

自筆証書遺言は何らかの原因で紛失することや、好ましくない人に破棄されることもあり得ます。
一方、公正証書遺言は公正証書として公証役場に保管されます。
公正証書遺言を確認するときも原本でなく写しを公証役場が発行します。

家庭裁判所の検認がいらない

公正証書遺言は公証人のチェックを受けているため法的有効性が認められます。
一方、自筆証書遺言を発見した場合は家庭裁判所の検認を受けなければいけません。

公正証書遺言の作成手順と必要な書類

依頼前の準備

公正証書遺言の作成を依頼するには、あらかじめ遺言の内容を自分で原案を書いておき、証人を依頼できる数人の候補を考えておきましょう。

公証役場へ連絡

最寄りの公証役場に連絡し打ち合わせする日を決めます。

依頼と事前の打ち合わせ

この打ち合わせでは遺言の目的を公証人に伝え、原案をもとに内容を詰めていきます。
証人をだれにするかと遺言作成日を決定し、遺言執行人の有無なども確認します。
各公証役場や事案によって書類が異なることがあるので、依頼する公証役場に確認が必要ですが、一般的には下記の書類が必要となります。

書類リスト
  • 遺言者の実印と印鑑証明書
  • 遺言者と相続人の続柄を表す戸籍謄本
  • 承認の住民票と認印
  • 通帳のコピー
  • 不動産の場合は、登記簿謄本および固定資産税評価証明書など

遺言の作成

公証人の文案を遺言者が確認した後、指定期日に公証役場で遺言の作成を行います。

公正証書遺言の費用

公正証書遺言の費用は手数料例という政令で定められています。 公証役場箱お手数料によって運営されている点が公的機関として特殊です。 100万円までが5,000円で500万までが11,000円となっており、財産の価格によって手数料が変わります。

公正証書遺言の作成には証人が必要

公正証書遺言を作成する場合には必ず2名以上の証人が必要になります。
この証人は誰もが無条件でなれるわけではありません。
未成年者や推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者・直系血族、公証人の配偶者・四親等内の親族・初期及び使用人などは証人にはなれません。
もし適当な商人が見当たらない場合は、証人が見つからない旨を公証役場に相談すれば、適当な人材を紹介してもらうことができます。
その際証人に対する日当は必要になりますが、確実に遺言内容を秘密にしたいのであれば、公証役場経由で証人を紹介してもらうのもおすすめです。

あらかじめ遺言執行者を決めておく

遺言執行者とは、遺言者が死亡した後に遺言内容を実行する人のことを指し、遺言で指定された者か家庭裁判所で選任された者が鳴るのが一般的です。
遺言の内容を実行する役目はかなり重要なため、誠実かつ実行力のあるものでないといけません。
遺言執行者をあらかじめ決めておくことで、相続人が遺言内容と異なる遺産分割・遺産の処分を勝手に行うことを防ぐことができる上、円滑な相続手続きが期待できます。

公正証書遺言のメリット

偽造や変造の恐れがない

公正証書遺言は、公正証書の形で遺される遺言であり、作成には法律実務経験の豊富な公証人が携わることになります。
遺言者は遺言内容を公証人に口授し、公証人はそれを筆記する形で作られるので、偽装や変造の恐れがないとされています。

遺言を紛失しない

遺言書の怖い点は紛失です。
いくら法的に有効でも見つからなければ意味がありません。
破棄しようとする人も珍しくないので、公証役場で原本を保管してもらえるのは大きなメリットとなります。

家庭裁判所の検認が必要ない

公正証書遺言は、公証人と2名以上の証人の立会いの下作成されることから、その真正が問題になることはほとんどなく、遺言の効力に疑義が生じにくい遺言とされています。
また、公正証書自体が裁判における高い証拠能力を有しており、自筆証書遺言等のように家庭裁判所の検認を受ける必要がありません。
財産の処分や、財産における法的地位の確定を速やかに行える点は遺族の精神面においてもメリットとなります。

公正証書遺言のデメリット

手続きに時間が掛かる

公正証書遺言は、証人を探し公証人と打ち合わせを行い、作成の手続きを行うため手間と時間が掛かります。
しかし、この手間を省こうとするから遺言書が無効になる悲劇は後を絶ちません。
有効性の疑われる遺言書は、訴訟の下となり遺産分割を大幅に遅らせます。

費用が掛かる

公正証書遺言の作成には、公証役場所定の手数料がかかります。
この手数料は、一通当たりいくらという方式ではなく、公正証書に記載する財産の価格に応じて決定されることから、相続人や相続財産が多い場合には作成手数料が高額になります。

公証人や証人に内容を話さなくてはならない

公正証書遺言を作成するためには、公証人と2人以上の証人が内容を知る必要があります。
人によってはプライバシーの観点から公正証書遺言をあきらめるかもしれません。
少なくとも遺言書の内容を知ることは正しい遺言書を作るためにも必要なことだと心得てください。

専門家に依頼する場合

公正証書遺言の作成に関する手続きは専門家に依頼することもできます。
行う業務は、遺言の原案作成・必要書類の取り寄せ・親族関係の確認・公証人との打ち合わせ・遺言執行者や証人となるなどですが、それぞれに得意な分野があります。

司法書士の場合

司法書士は法律に関する手続きや書類の作成が仕事です。 なかでも法人の登記や不動産登記は弁護士でも行うことができますが、司法書士の得意分野です。
相続財産に不動産がある場合は、有効な公正証書遺言があれば遺産分割協議は不要なので、本人の戸籍謄本と相続人の戸籍謄本があれば登記の手続きができ、その他の戸籍の附票などは必要ありません。
遺言執行者としても司法書士に依頼しておくと、不動産の相続登記をすぐに開始できます。

行政書士の場合

行政書士は依頼された書類の作成が業務で、遺言作成も本来の業務の一つです。
戸籍から相続関係を読み解いたり必要な書類の準備には慣れてるといえるでしょう。
相続人がだれかわからず、誰に何を残すかなど遺言の方向性が決まらないというような場合は、まず行政書士に相談してみるといいでしょう。

弁護士の場合

遺産分割などについて代理人として相続者間の交渉や競技を行うことができるのは弁護士だけで、司法書士や行政書士では法律相談業務を行うことはできません。
家族関係が複雑で相続に関して争う恐れがある場合や、相続人以外に遺贈したい場合などは、遺言執行者も併せて弁護士に依頼するのがいいでしょう。

まとめ

公正証書遺言は、基本的な作成ルールを護り、公証人の指示に従って作成していけば、ほとんどの場合有効で裁判になっても強力な証拠力を有する遺言方法です。
確実に遺産の効力を発揮させたい場合には利用する価値が大いにありますので、相続争いが予測される方は利用を検討してみてください。
また、その際に想像問題に経験豊富な弁護士などに相談することにより、さらに先の相続を見据えた相続対策が可能になるので、無料相談などを利用するのもおすすめです。

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