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法律が絡む問題は専門家に相談を 相続・遺言のすべて

預金、不動産、車…相続の手続きが必要なものはたくさんあります。法律上の落とし穴も多く、正しく理解していないと大変なことに!経験豊富な専門家に相談して、早めに学んでおきましょう。

遺言は執行が必要!書いただけでは不十分です

遺言の執行について

法は、被相続人の意思を尊重する趣旨から遺言という制度を設けています。
遺言を作成しておけば、相続財産の配分について被相続人の意思を反映させることができるほか、一定の身分行為についても被相続人の意思を反映させることができるようになります。
とはいえ、遺言を作成してもそれが実行されなければ被相続人の意思を尊重することにはならないでしょう。
遺言で定めることができる事項には、それを実現するために何らの行為も要しないものと、それを実現するために何らかの行為をしなければならないものがあります。 子の遺言を実行するために何らかの国威をしなければならない事項について、それを実行する行為のことを遺言の執行といいます。

遺言の執行

遺言の効力が発生した後は遺言内容を実現させる段階になります。
しかし、遺言者はすでに亡くなっているので遺言者に代わって遺言を執行する人が必要になります。
この遺言を執行する人として遺言執行者を指定することができます。 この遺言執行者は必ず決めなければならないものではありませんが、この認知や推定相続人の廃除・取り消しなど、遺言執行者を指定しなければ失効することが出来ない手続きもあります。

そのような内容が遺言になかったとしても、遺贈・遺産分配等のためにそれぞれの不動産毎に登記申請や引き渡しを行ったり、遺言者の相続財産をすべて把握し相続人の配分・指定に従って遺産を引き渡す等、専門家ではない人が行うのは複雑で負担が大きいことが多いです。
また、利害関係のある相続人により遺言書を実現しようとした場合には、遺言書の適正な実現がなされず、紛争になる恐れがあります。
そこで、専門家を遺言執行者に指定しておくことで、遺言書の適正な実現や相続人間の無用な紛争を防止することが出来るというメリットがあります。

遺言執行者を選任するメリット

まず、一番大きなメリットは遺言の実現がより迅速で確実になるという事が挙げられます。

登記を移転する場合

遺言書の中で不動産の遺贈がされたが、遺言執行者が選任されていない場合、遺贈を受けた者に登記を移転するためには、受遺者と相続人全員が共同で登記を申請しなければなりません。
遺言執行者が選任されていれば、受遺者に移転登記をするためには遺言執行者と受遺者との間の共同申請でよいとされているので、相続人が多数いる場合でもスムーズに移転登記を行うことができます。

預貯金の場合

不動産に限らず預貯金の場合であっても、金融機関にもよりますが、預貯金の解約・名義変更にあたり遺言執行者が選任されている場合は、必要書類が簡略化されている場合や解約書類に他の相続人の署名が不要である場合もあります。

借地権の遺贈の場合

借地権付建物を相続人以外に遺贈する場合、例えば、祖父が孫に対して借地権付建物を遺贈する場合や、内縁の妻に対して借地権付建物を遺贈する場合は、遺言執行者が選任されていることによって遺贈の手続がスムーズになります。

遺言の内容によって遺言執行者がいないと執行できないことがある

遺言書を作成する場合は、基本的に特定の財産を特定の相続人または第三者に対し与えるという内容が多いですが、遺言書においては財産を与えること以外に認知や相続人の廃除をすることもできます。
このように遺言書で認知や廃除をしたい場合は、遺言執行者がこれを行わなければなりません。

遺言執行者の選任方法

遺言執行者の選任する方法は3つあります。

遺言で指定する

遺言執行者は遺言によって指定することができます。
例えば長男を遺言執行者にしたい場合は、「長男○○を遺言執行者として指定する」などと記載しておけば、遺言執行者として選任できます。

遺言執行者を指定する人を指定する

直接遺言執行者を指定せず、遺言執行者を指定すべき人を指定する方法もあります。
自分では「誰を選ぶべきか分からない、決められない」という場合に、信頼できる第三者に判断を委ねる方法です。
「指定すべき人」の資格制限は特になく、第三者でも構いません。

家庭裁判所に選任の申し立てをする

さらに、遺言によって遺言執行者を選任する方法が指定されていなかった場合や、指定されていても相続前に遺言執行者が死亡してしまった場合、就任を拒否した場合や解任された場合などには、相続人や利害関係者などが家庭裁判所に申立をして、遺言執行者を選任してもらうことができます。

遺言執行者の資格制限

出は誰が遺言執行者に慣れるのでしょうか?

遺言執行者に慣れない人

民法は、遺言執行者の欠格事由として、未成年者や破産者を上げています。
正確に着実に構成に遺言を執行することが期待できないからです。

遺言執行者になれる人

逆に、遺言し国交者の資格については法律上それ以外の定めはありません。
つまり、未成年や破産者でなければ「誰でも遺言執行者になれる」ということです。 相続人の誰かでも、信頼できる第三者でもOKですし、数人選んでも構いません。

誰を遺言執行者にするべきか

先にみたように、遺言執行者は基本的に誰でもなれます。 親族でも知人でも構いません。
ただし、「遺言の着実かつスムーズな実行」という点から考えるならば、遺産相続問題に精通している人物に依頼すべきです。
特に、遺産相続問題に精通している弁護士であれば、煩雑な手続も間違いなく行ってもらえますし、万が一何かトラブルが起こった時にも、しっかり対応してもらえます。

遺言の実行手順について

遺言の内容を通知する

遺言執行者は、遺言執行者に就職することを承諾したら、直ちに任務を行わなければなりませんが、任務開始の際には、遅延なく遺言の内容を相続人に通知しなければなりません。
平成30年の相続法改正で相続人への通知義務が明確化されました。

遺言者の財産目録を作成する

遺言執行者がいる場合、遺言執行者は財産を証明する登記簿や権利書などをそろえて、遺言者の財産を一覧にした財産目録を作成し、相続人に交付しなければなりません。
財産目録には、不動産・預貯金・現金・保険契約・株券などのプラスの財産だけではなく、負債についても記載する必要があります。
財産目録は、遺言執行者にとっては相続財産に対する管理処分権の対象を明確化し、相続人からすれば遺留分権利者である場合にその行使を判断する資料となったり、財産の範囲が見落とされていないかチェックしたりする機能があります。

遺産分割方法の指定を行い、分割を実行する

遺言書の内容に沿って、相続人の相続割合や分割の方法等を指定し、実際に遺産を分配します。
その過程で、不動産の所有権移転登記の申請、預貯金の払出し、金銭の支払い等を行うこともあります。
場合によっては、金銭化のために不動産を売却する等、処理が大変になることもあります。

このような遺言執行者の権限は、遺言の内容を実現するためのものであることが、平成30年の相続法改正により明確化されました。
また、この改正では、遺言執行者が遺言執行者であることを示して権限内の行為を行ったときには、その行為の効果は直接相続人に生じることも規定されました。
また、遺産分割の指定として、特定財産を特定の相続人に相続させるという遺言がなされたときには、登記手続など、その相続人が対抗要件を具備するために必要な行為については、遺言執行者が行うことができるようになりましたし、預金の払い戻しや解約もできることが明確に定められました。
ただし、遺言者は、遺言でこれとは異なる定めをすることができます。

相続財産の不法占有者に対して明け渡しと移転の請求を行う

遺言執行者は、遺言を実現するために必要な相続財産の管理や、そのほかの遺言執行に必要な行為をすることができます。
相続財産の不動産に不法占有者がいた場合は不動産の明け渡しや陶器移転の請求を行います。
相続人の一人が遺言に反して不動産登記を自己の名義に書き換えてしまった場合、正当な権利に基づくわけではないので、遺言執行者は不動産の移転登記の抹消登記を求めることができます。

遺贈受遺者に遺産の引き渡しを行う

相続人以外に財産を遺贈したいという希望があった場合、その配分及び指定に従って遺産を引き渡すことになります。
遺言執行者が指定されていない場合は、遺贈を受ける人は他の法定相続人全員と共同で所有権移転の登記申請をしなければなりませんが、遺言執行者がいれば遺言執行者と遺贈を受ける人だけで共同して登記申請ができるので、他の相続人の協力を仰ぐ必要はなくなります。

認知の届け出を行う

認知自体は生前でもできますが、父親側に事情があり、生前には認知できない場合遺言による認知をすることになります。
遺言による認知は、遺言の効力が発生したときに成立します。
遺言執行者に就職した10日以内に認知の届け出を役所に提出しなければなりません。

相続人廃除、廃除の取り消しを家庭裁判所に申し立てる

被相続人に対する虐待や侮辱などが原因で、相続人の相続権を剥奪することを廃除といいます。
相続人廃除の胸が遺言書に書いてあった場合、遺言執行者は家庭裁判所に対して相続人廃除の申し立てをすることになります。
申し立てを受けた裁判所は、諸事情を考慮し廃除の審判を行います。
廃除の審判が確定すれば、相続発生時に遡って推定相続人の相続権がなくなることになります。

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